子どもの矯正の場合、すべての症例でワイヤー装置をつけるわけではありません。小児矯正は大きく分けて下記の2つのステップがあり、どちらを行うかは患者さんの年齢や症状によって異なります。
ステップ1／第I期治療（幼児期～学童期） 
永久歯と乳歯の混合歯列期に矯正治療を行います。成長期であるこの時期に、その後の骨や歯並びがバランスのとれたものになるように上手に導くことを目的とします。本人の成長力に合わせて補助的に行っていく治療です。第I期治療を適切に行うことで、第II期治療が必要なくなることもあります。
ステップ2／第II期治療（中学生以降）
対象は中学生以降ですが、基本的には成人の矯正と同じです。ただし成長を利用して、抜歯する確率を下げられる可能性もあります。基本的には上下すべての歯にブラケットを装着し、全体の並び及び噛み合わせを改善していきます。
1）初診矯正相談
問診表に記入をしていただいた後、お口の中を拝見して、現在の歯並びや噛み合わせを説明します。予想される装置の種類、治療期間、費用などについても説明します。患者さんはドクターと直接話すことができますので、どんなことでもお気軽に質問ください。
2）精密検査
より綿密な計画を立てていくために、レントゲン撮影、歯型、お口とお顔の写真、虫歯の検査、歯周組織の検査、簡単な顎の検査を行い、患者さんの資料を作成します。
3）診断
検査した資料をもとに現在の状態を評価し、画像や模型をもとに治療方法や治療期間について詳しく説明します。不明な点があれば、この時点でドクターと患者さんで話し合います。納得していただいた場合のみ治療開始となります。
4）治療
●第I期治療（約1～2か月に一度来院）
3）での診断をもとに、 乳歯と永久歯が混じった時期（6～10歳）を対象に矯正治療を行います。成長を利用した治療を主眼とします。
●第II期治療（約1か月に一度来院）
第I期治療が終了した患者さんが中高生になってから行います。歯の1本1本に装置をつけ、歯の根までコントロールしながら最終的な噛み合わせを作っていきます。治療期間が比較的長いため、虫歯がなるべくできないように、希望者にはフッ素塗布も併せて行います。
5）永久歯治療
永久歯列になってから来院された患者さんの治療で、治療内容は第II期治療と同じです。成長を利用できないこともあるため、状態に合わせて治療を進めていきます。
6）定期観察（半年から1年に一度来院）
3）での診断後、もう少し待った方が良い方（検査せずにもう少し待った方が良いことが明らかな方、永久歯で治療をする方が良い方）は治療に最適な時期まで観察しながら待つことになります。
7）保定（装置を外してからの4年間に5～6回来院）
きれいにしっかりと噛み合った歯も、すぐに装置を取り去ってしまうと後戻りを起こします。治療終了後は、リテーナーを用いて後戻りを予防します。
5年目以降は希望がある時に来院していただきます。
